こんにちはトリグラフです。さてこの話題も5回目ですが、前回はスラックス(パンツ)のサイズ合わせが終わったところでした。
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今回はスラックスの小柄な人特有の違和感にいきますね。
小柄な人特有の違和感は2点
とはいえ、ディテールがそれほどありませんから、スラックスには小柄な人ならではの違和感もそれほどなくて、二つかなと思います。ただし2点目は重要です。
ダブル裾の場合、折り返し幅が大きすぎないか
これはジャケット編のラペル幅やフラップ幅と同じ考えですね。もちろんシングル裾の場合は関係ありません。
そもそも小柄な人がダブル裾ってどうなの?という意見もあるかもしれません。確かにシングル裾の方がスッキリ見えますからね。
私もダブル裾のものは一つだけしかありません。最近は折り返し幅が広いのが流行であり、5センチ程度になってきているかもしれませんが、よく考えて決めましょう。私の持っているものは4センチ弱でした。
股上は浅くしてネクタイ長を確保
そして2点目は股上。ここは前編で浅くしましょうと書いたところで、サイズ合わせの範疇かもしれませんが、浅く作る理由が違和感を消すためなのでこちらに書きます。
まず一般的に股上浅めの方がスタイリッシュで若々しいイメージですね。これは小柄な人にとっても同じです。
股上深めだと、ベルト位置からお尻にかけてのくびれが大きくなってあまりカッコよくありません。
極端に言えば、ベルトでウエストを締め上げているように見えてしまいます。
元々『小柄』という不利な条件がありますので、こういった点で少しでもスタイル良く見せていきたいものです。
そして股上浅めに作るもう一つの理由は、ネクタイをした時になるべくネクタイの長さを長めにとるためです。
これは少し説明がいると思いますので詳しく書きますね。
まずネクタイの長さの一般的なセオリーとしては『大剣先がベルトに軽くかかるくらい(ベルトの下からはみ出るまでは行かないくらい)』と言われています。ただし小柄な人がこのセオリー通りにしますと、標準体型の人に比べてかなり大剣が短くなり、それが違和感に繋がってしまうのです。
『いやいや、小柄なのにディテールが標準サイズのままなことが違和感を生じる理由って書いてたでしょ?小柄な人なら大剣が短くていいんじゃないの?』という声が聞こえてきそうですが、私は
『ネクタイの場合(1)体に対する大剣長さが長すぎることによる違和感より、(2)ネクタイ幅に対する大剣長さが短すぎる違和感の方が、より大きな違和感を生む』と考えています。
そのため、(1)の違和感を少なく抑えつつ(2)の違和感を消していく方策として、まずセオリー通りの長さに結んだ時にある程度の大剣長さが確保できるよう、股上浅めがいいかと思います。
ついでに書いてしまいますと、私個人は更にセオリーよりも長めにネクタイを結んでいます。具体的にはベルトの下に大剣が1-2センチ出る程度です。
撮影技術が稚拙なのでこういう形の写真ですみませんが、左がセオリ―通りの長さ、右がやや長めの長さです。
この辺までくると完全に好みの領域になるかと思いますので、実際に自分で長さを変えて結んでみてどう思うかになると思います。
基本的に股上浅めの方がスタイリッシュというのがありますから、まず股上浅めのスラックスを買って(作って)みてはいかがでしょうか。
またこれは本当にディテールなのですが、スラックスの前を後ろより股上浅めにつくる、というのがあります。
これもネクタイ長さ確保に有効と思いますので、オーダーの場合は頼んでみるのもいいですね。
※『ジャケットを脱ぐことは(ほとんど)ない』という方もいらっしゃるかもしれません。そういう方にはこの辺は関係ないですね、すみません。
なおネクタイの違和感を消すために幅の細いネクタイを選ぶという作戦もありますね。この辺はネクタイの記事で書きたいと思います。
さて、スラックス編は以上です。だんだん私の偏執具合がバレてきたかと思いますが(笑)いかがでしたでしょうか。
なんか面倒くさそうだなぁと思われたかもしれません。正直言うと面倒くさいですが、イージーオーダーならこの辺どれだけ注文つけても追加料金はないので、拘ったほうがいいでしょう(それでいて生地は安いので作るから面倒な客と思われていると思います)。
既製品の場合は、多少妥協せざるを得ないと思いますが、丈についてはこだわったほうがいいですね。クッションの入り具合でスラックスルのシルエットはかなり影響しますので。
次回はスーツの生地等について書きたいと思います。